看護師の夜勤の効果的な仮眠の取り方

看護師の夜勤の効果的な仮眠の取り方

病棟勤務のある看護師は、24時間体制で入院患者へのサポートを行う必要があり、二交代制、三交代制といった交代勤務が採用されていることがほとんどです。こうした交代勤務に従事するようになると、睡眠障害に陥る方が増えるようです。
今回は、夜勤勤務時の効果的な仮眠スケジュールや、快眠のヒントをまとめてみました。

体内時計にあわせた勤務スケジュールに


病棟勤務のある看護師は、日勤(8:00~16:00など)、準夜勤(16:00~0:00など)、夜勤(0:00~8:00など)の3つの時間帯で勤務を交代する三交代制勤務が一般的です。
こういったシフト勤務を続けると、睡眠リズムがずれてしまい、不眠や一時的な強い眠気に悩まされる場合があります。これらの症状は「交代勤務性睡眠障害」と呼ばれています。

夜勤のある看護師が陥る睡眠障害の主な原因は、体内時計が狂ってしまうことだと言われています。体内時計の狂いを最小限に抑えるためには、勤務スケジュールの調整が効果的。
人間の体内時計は1日25時間という説もあり、活動時間を徐々に遅らせることで体内時計をずらしていくことができると言われています。そのため、日勤→準夜勤→夜勤という風に、次第に遅い勤務時間になっていくシフトの方が身体が順応しやすいと言えるのです。これを意識して勤務ローテーションを組むだけで、睡眠障害の改善が期待できることがあります。

交代制勤務時の正しい仮眠、正しい起床


夜勤に行く前に仮眠をとる看護師が多いと思いますが、交代勤務性睡眠障害を防ぐためには、コツをおさえて仮眠をとることが大切です。

人間の睡眠には、レム睡眠と呼ばれる浅い眠りと、ノンレム睡眠と言われる深い眠りを交互に繰り返すサイクルがあり、このサイクルは90分前後のリズムで繰り返されます。
レム睡眠からノンレム睡眠に切り替わるタイミングで起床すると、スッキリ目覚めることができ、満足のいく仮眠になると言われています。

具体的には夜勤の出勤時間から逆算して、90分の倍数の時間を仮眠にあてます。1時間半、3時間、4時間半といった具合です。1時間半の仮眠でも夜勤中の眠気を抑える効果が十分に期待できます。
夜勤の前の晩に睡眠を減らして、夜勤前の日中にしっかり寝るなどの工夫をしましょう。

また、夜勤明けの睡眠にも注意が必要です。夜勤明けは帰宅後すぐに床につき、長時間の睡眠を取る人が多いようですが、ここで寝すぎてしまうと夜間の睡眠の妨げとなってしまいます。長くても6時間程度に抑え、日が暮れないうちに起床するようにしましょう。

味方にも敵にもなる! 太陽との上手なおつきあい


人間の脳は太陽が沈むのを見ると夜と認識するため、夜勤明けの睡眠では日没前に起きた方が良いと言われています。
夜勤で生じた体内時計の狂いを正常に戻すために、夕方、散歩などに出て夕日を眺めることをおすすめします。日が沈んだ後に起床すると、体が夜と認識できず、体内時計の乱れが戻らなくなってしまいます。

一方、太陽など強い光は人体の覚醒度を上げると言われているため、夜勤明けの睡眠前に光を浴びることはなるべく避けるようにしましょう。
目を覚ましたい場合は良いのですが、帰宅後眠りにつく夜勤明けには、サングラスなどで強い光を避けて帰宅するなどの工夫を。自宅でも遮光カーテンなど日光を遮ることをおすすめします。

なかなか睡眠障害が治らず、熟睡できなかった場合は、勤務前にしっかり目を覚ますために、光の覚醒効果を利用します。
また、冷たい水やコーヒーなどのカフェインの入った飲みものを飲んだり、顔を洗ったりといった行動も目を覚ますのに効果的。起床時や夜勤中などに眠気に襲われた際は積極的に取り入れると良いでしょう。

夜勤前に仮眠などで睡眠時間を十分に確保することは、集中力の持続に効果的だと言われています。
看護師は失敗が許されない職種ですので、睡眠のメカニズムをしっかり理解し、起床後は日光を浴びて体を目覚めさせることを意識しましょう。



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