看護師のインターンシップをやってみよう

離職率を下げるための試みとして、就職活動中の学生の職場体験を推奨する病院が増えてきています。ここでは、看護師のインターンシップの探し方や応募方法、メリットを紹介していきます。
今まさに就活中、もしくはこれから就活を控えている学生の方は、ぜひ目を通してみてください。

活動の目的と応募先の探し方

スタッフの雰囲気や患者さんへの接し方、ケア方針は、就職先を探すにあたって重要なポイントとなるもの。ただし、外部からは把握しにくいのが難点です。見るのと聞くのとでは随分その印象が変わりますが、就職後にギャップに気付いても後の祭り。合わない病院に入ってしまうと、早期挫折のリスクが高くなります。

そこで活用したいのがインターンシップです。職員の一人として実際に働いてみることで、相互にマッチングを行います。実務を覚えるために行う看護実習とは異なる目的があるので、基本的には就職希望の病院に申し込みをするといいでしょう。受け入れる病院も、仲間候補という意識で時間を割いてくれるため、安易な応募は控えてください。
募集情報は、病院のホームページや説明会で入手しますが、申し込み前には、要項に細かく目を通すことが大切です。必要書類を抜けなく準備し、申し込み期限厳守で送ってください。

体験できる内容は病院によりまちまち

インターンシップでの実際の体験内容は、病院や選ぶ科目によって異なってきます。入院患者のケアやサポートができる病院もありますが、設備見学、スタッフとの交流が中心になるため、看護実習と比較して、体験機会が少ないことに物足りなさを感じる方もいるかもしれません。手を動かす作業ができないことを残念に思う気持ちは分かりますが、冷静な目で院内を観察するチャンスであるため、自分との相性を見極めるべく、じっくりと周囲の様子を見るようにしましょう。
ここで違和感が強いようなら、就職してから後悔する可能性があります。思い描いた職場と違うと感じたら、採用試験を受けるか再検討する勇気も必要です。インターンシップは、企業と自分の相性診断の場と考えて、慎重かつ賢明な判断をしてください。

病院スタッフの一員として主体的に行動すること

インターンシップでより良い学びを得るためには、病院スタッフの一員としての自覚を持ち、主体的に行動することが重要です。できることは積極的に申し出る、分からないことは確認するなど、社会人としてのマナーを意識して動くようにしてください。学生気分で参加すると、厳しい現実に直面する場面もありますが、働くとはどのようなことなのか身を持って知るチャンスです。どんな仕事でも、いいことばかりではなく、大変さを越えたところにやりがいがあるものです。ギャップに失望することなく、社会人になるにあたり避けて通れない道と考えて、前向きに行動するようにしましょう。

数日間だけのプログラムでも、インターンシップ参加前と後では、就業意識に大きな差がつくはずです。働くことに対して漠然とした不安を抱えているより、まずは経験を積んでみるという割り切りも重要。社会人としてのキャリアを踏み出す準備機会を、将来設計に役立てましょう。