入院患者の受け入れをする病院では、シフトを組んで24時間体勢で看護を行う必要があります。看護師の勤務形態には、シフト時間の区切り方により二交代と三交代の2パターンがあります。
ここでは、それぞれの働き方について簡単に説明するとともに、メリット、デメリットを紹介します。勤務形態は、最大限能力を発揮して働くための重要なポイントですので、自分にあった職場を探す時の一つの基準として考えていただければと思います。
二交代勤務を採用している病院では、24時間を日勤、夜勤で分けてシフトを組んでいます。例えば、日勤が8時30分~17時00分、夜勤なら16時30分~翌朝の9時という具合です。時間が一部重複しているのは、申し送りをするため。自分がいない時間帯に起こった出来ごとの伝言を受け、情報共有を行います。
夜勤の時間が長くなるため、途中で2時間程度の仮眠を取るのが一般的です。ただし、急変した患者さんや救急の対応に追われていると、休憩を取るのが難しい日もあるようです。長時間勤務に耐えうる体力が必要なシフトと言えるでしょう。
長時間労働が懸念される二交代勤務ですが、三交代シフトのように深夜に出勤する必要がないのは大きなメリットでしょう。公共の交通機関が遅くまで営業している都市圏はともかく地方になると深夜勤の出勤時間には電車やバスの運行がないこともあります。マイカー通勤でなければ、数時間前に職場付近まで通勤するという対策も必要になってきます。そのようなこともあり、公立病院以外の民間の病院の多くは二交代制を採用しており、今後はさらにその傾向が強まると思われます。
途中で仮眠を取るとは言え、長時間集中力を持続できるか不安な方には、三交代勤務をおすすめします。
日勤、準夜勤、深夜勤と3つの時間帯に分けて働くので、1回あたりの労働時間は短くなります。病院によって差はあるものの、一般の仕事と同じく、8時間から9時間労働になることが多いようです。
急変対応が入って仕事が多少ハードになる日でも、規定の時間が短ければ踏ん張りがきくでしょう。
デメリットとしては、休日が少なくなることが挙げられます。次の出勤までに十分な休息がとれないことで、ストレスをためてしまう方もいます。病棟の看護師人数にもよりますが、数日間働き詰めのようになる週も出てくるはずです。シフトの組み方は、チームリーダーの采配次第の部分もあるので、面接のときに詳細を質問してみてください。
このように、それぞれにメリットとデメリットがあり、どちらがより適しているかはその人次第です。何をストレスと感じるかを明確にした上で職場探しを行うといいでしょう。
二交代では昼夜逆転になってしまいストレスを感じる人もいれば、昼夜逆転大いに結構という人もいます。同じ人でも年齢や家庭の状況で一生同じ働き方が良いとは限りません。自己の状況に合わせて無理なく続けられる自分にあった働き方(ライフワークバランス)を実践することをお勧めします。