保健師という職業をご存知でしょうか。あまり馴染みのない職業かもしれませんが、全ての人の生活に密接した非常に重要な職業です。今回は、保健師の概要や必要な資格などについてご紹介します。
保健師は、保健指導や健康管理を行う専門家です。学校や保健所、企業などで健康相談を受けたり、保健指導を行います。最近では、自宅療養している方や介護が必要な方の自宅に訪問し、相談や提案をする仕事も多くあります。
保健師の仕事は治療ではなく、心身の健康維持のための予防です。様々な健康に関する相談や問題を解決しなければならないので、幅広い知識が必要になります。
保健師になるには「保健師国家試験」に合格し資格を得る必要があります。また、試験の受験資格を得るための条件もあります。
保健師の資格を得るには、まず看護師の資格を所有していることが条件になります。
他にも、厚生労働省が受験資格として以下のように定めています。
このように看護師免許を取得したあと、指定の教育機関で保健師の専門教育を受ける必要があるのです。
もしくは、4年制の看護大学では、在学中に看護師と保健師、両方の教育が受けられるため、卒業時に看護師と保健師の試験をどちらも受験することが可能です。
平成26年度保健師国家試験の合格率は約85%と高く、学校でしっかりと学んでいれば取得することは難しくありません。そのため、看護師や介護福祉士を目指す人が合わせて取得することもあります。
保健師国家試験の科目は、暮らしと医療を結びつける「地域看護学」、病気の予防や健康維持を目的とした「疫学・保健統計」、今後の医療を考える「保健福祉行政論」などがあり、筆記試験と実技試験があります。
保健師には、地域保健師や学校保健師、産業保健師などの種類があります。活動する分野は異なりますが、いずれにしても「人」に対してサービスを行う仕事です。
子どもから高齢者まで幅広い人達から健康に関する悩みや相談を受け、指導を行なうため、人と接することが好きでなおかつ医療に携わることにやりがいや喜びを感じる人が向いています。
また、看護師から保健師に転職する人が多くいます。2014年現在では、保健師の求人倍率が高い傾向にあり、資格を取得しても保健師の仕事に就けないこともあります。そのため、保健師に転職できるまでは看護師として勤務し、看護の実務を経験しながら保健師に転職する機会を待っている人が多いと考えられます。
保健師は、人が病気にならず健康で生活を続けられるための重要な役割を担います。健康管理や生活習慣に興味がある方や、人と接しながら働きたいと考えている方は、保健師を目指してみてはいかがでしょうか。