一口に看護師の仕事と言っても、業務の内容やスキルの質などに関して大きな開きが出ることがあります。それは、診療科目によって行う処置や緊急度が違うためです。こうした点から、診療科によって、その人気も異なってきます。では、特に看護師に人気がある診療科目とは何科なのでしょうか? 以下でご紹介していきましょう。
基本的に、入院病棟がある病院での勤務には、夜勤がつきものとなります。看護師たちの悩みとして、夜勤の回数の多さや業務そのもののハードさはよく語られることです。逆に言えば、夜勤がない病院での勤務は、比較的心身ともに負担がかからないということになります。
例えば、皮膚科などの外来診療が中心となる科では、入院を要する患者さんが他の科よりも少ないため、日勤が中心となります。そのほかの科でも外来業務ならば、夜勤の心配がなく多少気楽に勤務することができるでしょう。主婦など時間の都合をつけて働きたい方にとっては、夜に家を空けなくても良いという点で人気が高くなる傾向にあります。
労働条件以外に、その業務の性質から人気が高いとされているのは内科です。消化器系や循環器系、呼吸器系全般の治療に携わる仕事ですが、主に投薬で様子を見たり生活習慣の指導を行ったりすることで症状の改善を目指します。
手術を必要としない科であることから、外科的な技術を要しない上に、内臓器官全般において広く知識を得られるという点で人気が集まると考えられます。比較的経験の浅い看護師でも業務をこなすことができ、さらにほかの科とも連動した知識を多く得られることから、経験をゆっくりと積んでいくことも可能になるのです。
また、内科で取り扱うがん治療に関しては比較的患者数が多く、その発症部位も多岐にわたります。さらに慢性期から急性期の緩和ケアまで、病状に応じてそれぞれの処置の仕方が異なり、幅広い経験を積むことができます。
賛否両論意見が分かれることもありますが、特に子供好きの方には、小児科も注目される科です。子供の体のメカニズムは大人とは大きな違いがあったり、また非常にデリケートで刺激に弱かったりすることから、通常の科とは違った処置をすることがあります。
相対的に人手不足が叫ばれる科ですが、子供と接するのが好きな看護師にとっては得意分野となるでしょう。ただ治療するだけではなく、成長途上にある子供たちのこれからの育ち方に極力影響を与えない方法を選んで治療に当たるため、さまざまな気遣いを学ぶことができます。
さらに、子供がかかる体全般の病状を取り扱うため、内科のように知識も広く、深くなります。看護師としてのスキルアップにもつながる科目というわけです。
このように、診療科目にはさまざまな種類があり、それぞれが持つ特徴も大きく異なります。その特徴によって働き方自体も変わってくるため、一口に看護師の職場といってもその環境には違いが出てきます。
まずは、自分が看護師としてどのような位置を目指すか、目標をどこに定めるかという点をよく見つめ直してみましょう。「幅広いスキルを習得したいのか」、「専門的な知識を深めたいのか」、「患者さんとの触れ合いや回復の手助けをしたい」と思うのか、といった点などでも選ぶべき科はおのずと見えてくるはずです。それぞれの科の特徴をつかんだ上で、自分の目標と重ね合わせて決めることをおすすめします。
看護業務に就くに当たり、やはり人気の高い科は限られるというイメージがありますが、要は自分が看護師としてどのような目標を持つのかが大切です。より深いスキルを求めるか、もしくは家庭との両立を最優先するかなどを考え、それぞれの科の特徴が自分に合うと思うところを見極めましょう。安易に決めず、自分がどの科にマッチしているのかをきちんと分析することをおすすめします。