ここでは、看護師を目指す方のために、看護系の大学、短期大学、専門学校、高校の違いについてご紹介します。
看護科と専攻科を合わせて5年間修業して、看護師国家試験の受験資格を取得します。3年間(定時制は4年間)の修業では准看護師受験資格を、専攻科に進んで2年間修業すれば看護師国家試験の受験資格を取得することができます。
最近では、衛生看護科と専攻科が一体となった5年生一貫校もあるようです。
1年次は普通教育と平行して、准看護師になるための専門的な知識と校内実習を通して技術を学びます。2年次からは看護臨床実習として病院実習が開始されます。
専攻科へ入学すると、より専門的な知識と技術、看護師国家試験に合格するためのカリキュラムを学びます。
看護科で3年間学んだ後に、看護短期大学や看護師養成所に進んで2年間の教育を受け
て看護師国家試験の受験資格を取得することもできます。
入学金、授業料、施設設備費などが必要となり、看護科3年間、専攻科2年間共に合計60万円程で、5年間通えば約120万円程の費用となります。
全国で看護科を設置している高校は100以上。
順調にいけば20歳で看護師免許を取得できますので、5年という年月はかかりますが、最年少で看護師の職に就くことができます。
看護師を養成する機関の半数以上が専門学校と言われています。
3年間で看護の知識、医療処置や看護技術の実技演習、病院実習を学び、看護師国家試験の受験資格を取得します。
情報科学、心理学などの一般教養を高めるための基礎分野、病理学、医療制度などの専門基礎分野、基礎看護学、実習を通して看護の現場の即戦力になり得る人材を育てています。
授業の3分の1が看護実習の時間になっており、より実践的な看護を学ぶことができます。
費用は、入学金、3年分の授業料、実習費、教材費、施設協力費で合計300万円前後というのが一般的なようです。専門学校によって学費は異なりますので受験の前に必ず確認をしましょう。
現場で実践力のある人材育成を目指しているため、実習も多く、看護の現場を肌で感じることがメリットと言えます。
3年間で看護の知識と技術を学び、看護師国家試験の受験資格を取得します。
看護短期大学の数は少なく全国で20校程です。ほとんどが大学の医学部や大学病院に付属して設置されています。
カリキュラムは、専門学校同様に基礎分野、専門基礎分野、専門分野を学びます。高校、専門学校との大きな違いは、一般科目の授業時間が多いということです。
一般教養が身に付くことで、患者さんとのコミュニケーションや社会人としての自立を目指します。
費用は、専門学校とほとんど変わりはなく、3年間で300万円前後かかるようです。
看護の知識はもちろんですが、社会人としての教養やマナーなど幅広い知識を身に付けることができるのが短期大学の特色とも言えます。
看護の専門的な知識と技術を4年間で修業し、卒業時に看護師、保健師の受験資格が取得できます。在学中に所定の科目を選択すれば、助産師の受験資格も得られます。
専門学校、短期大学と同様に、基礎分野、専門基礎分野、専門分野を学びます。大きな違いは、「基礎分野」の充実です。情報科学や心理学以外に、哲学やドイツ語もカリュキュラムに組み込まれている大学もあります。
4年間という時間があるので、ひとつひとつをより深い領域まで学ぶことができます。選択制のカリュキュラムが多いのも大学の特徴と言えます。
将来的により専門的な看護の現場で活躍したいと考え、専門看護師の資格取得を目指すのであれば、看護系大学院の博士課程修了者でないと、資格を取得することが出来ないので看護系の大学へ進学する必要があります。
費用は、入学金、4年分の授業料、実習費、教材費、施設協力費など、トータルで650万円程かかります。
大学の場合、他に比べると学費は高額ですが、看護師以外に、保健師や助産師の受験資格も取得できるため、将来の選択肢の幅が広がるという利点があります。