看護師の1日の仕事の流れ

看護師といっても勤務先によって業務の内容は異なります。
主な勤務先としては、総合病院や地域のクリニックなどで外来を担当する外来勤務、病棟内の患者に対してのケアを主に行う病棟勤務、老人ホームなど施設勤務、家庭に訪問して看護を行う訪問介護ステーション勤務など様々です。
ここでは、各勤務先で看護師がどのような1日を過ごしているのかをご紹介します。

病棟勤務の看護師

病棟での勤務は3交代制が採用されているところが多く、日勤、準夜勤、深夜勤で勤務時間が異なります。今回は、日勤の場合の基本的な業務内容をご紹介します。

出勤～昼休み前

朝出勤したら最初に15分程度で内服薬や点滴などの物品のチェックを行います。その後「申し送り」と呼ばれる患者の情報を共有するミーティングをして、各看護師が受け持つ担当患者の症状や、確認事項を共有します。

申し送りが終了したら、まずは担当患者の病室を回って検診です。患者に対して問診や清潔ケアを行い、状態をしっかりと記録します。
担当患者の検診が全て終了したら、新しく入院してくる方の検査に対応。レントゲンや採血、内服薬の把握などをした上で、家族へのヒアリングを行います。ヒアリングでは家族関係もチェックし、患者の自宅での生活環境についても聞き取る必要があります。

昼休み後～退勤

午後は担当患者の個別ケア。患者の状態に合わせて散歩やマッサージなど、個人に合わせた対応をしていきます。
日によってはミーティングなどを実施することもあります。ミーティングではがん患者の症状調節について議論したり、勉強会であったりと内容は様々です。

外来勤務の看護師

総合病院の外来診療室や地域のクリニックでは、ルーチンワーク以外にも、患者さんやその家族のニーズを的確に捉え、タイムリーに対応することが求められます。

出勤～昼休み前

外来予約人数を上回る来院数、来院者の病体急変など。そのため外来勤務の看護師では、他の職員よりも早く出勤してその日の準備をし始めるというケースも少なくありません。決められた診療時間内で、その日訪れた全ての患者さんを診察するために、外来看護師の仕事は朝一番の準備が大切になります。出勤後はまず、予約患者のカルテ、検査記録、医療器具の準備、消耗品の補充を行います。診察補助や検査、処置などを分担して行っている場合は、それぞれの持ち場を確認します。

診療が始まったら、医師の指示に従うことはもちろんのこと、あらかじめ患者に最近の状態を尋ね医師に伝達するなど、診察がスムーズに進むよう配慮していきます。

昼休み後～退勤

昼の休診時間後は、午前診療の継続の他、特別外来や在宅診療などの補助を行うケースもしばしば見られます。外来診療終了間際まで来院が続くことも多いため、翌日の準備にとりかかりつつ診療業務を行っていきます。診療時間が終了したら当日使用した薬品や診療台、シーツなどの交換、片付けをして、翌日の予定をチェックしたら退勤です。

訪問看護ステーション勤務の看護師

病気や障害があっても安心して住み慣れた家で生活することができるよう支援する訪問看護ステーション。出退勤時間が定まっていない場合もありますが、ここでは日中に仕事をする場合の業務内容についてご紹介します。

出勤～昼休み前

事務所に出勤したら、はじめに社内ミーティングで当日の予定や注意事項などの共有を行います。ミーティング後は血圧計などの医療器具や、消毒用アルコールなどの清潔物品を点検し、訪問準備を済ませます。
準備が終わったら訪問先に移動し、体温、血圧測定などのバイタルチェックや、患者の症状に合わせたケアを行います。患者本人、もしくは患者の家族からの相談に対応することも。訪問は1件につき約60分が一般的です。
午前中は2～3軒目まで訪問し、事務所に戻って休憩を取ります。

昼休み後～退勤

事務所での休憩を終えたら、再び午前中と同様に訪問を開始します。午後にも2～3軒訪問する日が多くなるでしょう。訪問を全て終えて事務所に戻ったら、当日訪問した患者の記録を作成します。患者の体調や看護の内容について記録することで、他の看護師や利用者と情報の共有することができる重要な書類です。
記録の作成が終わったら翌日のために備品の整理をして、退勤という流れです。