海外で看護師として活躍するためには、JICA(国際協力機構)や国境なき医師団に応募をして海外派遣チームの一員になる方法の他、現地の看護師免許を取得する方法があります。
いずれにせよ、海外で一定の経験を積んだ看護師は日本の医療機関で歓迎されることはもちろんのこと、国際的な研究機関や大学に採用される可能性も広まります。
ただし、海外で勤務するためにはいくつかの高いハードルを乗り越えなければいけません。特に、英語を中心とした語学力は必須となり、求められる得点以下の場合は外国人の採用が認められないことがあります。
現地の看護師免許を取得して医療機関で勤務をするには、永住権や就労ビザ発行など様々な手続きが必要となります。そのため、単に海外での経験を積みたい、永住するつもりはないという場合は、JICAなどの団体に応募し海外派遣のチャンスを得る方が良いでしょう。
海外派遣チームに登録されれば、現地の看護師免許がなくても看護業務に携わることが可能です。派遣中は日本人スタッフのサポートを得ることができますので、海外留学の経験が浅い場合にも、安心して望むことができます。
例えば、JICAの海外派遣チームに参加するためには、書類選考や面接試験をパスしなければなりません。合格後は、さらに派遣のための訓練や技術研修を受講することが義務づけられます。派遣機関は原則2年と定められており、派遣先はアフリカなどの発展途上国になることが多いようです。
看護師免許の取得方法は、国によって異なります。アメリカの場合は特に難関と言われており、各州が定める資格認定試験に合格するだけではなく、英語力を判定する試験を受験し規定以上の得点を得なければ、現地就職への道を開くことができません。
さらにアメリカでは、医師同等またはそれ以上のキャリアを得ている看護師が多く、競争や周囲の目も厳しいため、資格を取得して就職した後も専門的な教育プログラムや研修を積んでいくことが大切となります。
一方、オーストラリアでは、日本以上に看護師不足が深刻化していることを理由に、外国人看護師を積極的に採用する傾向にあるため比較的スムーズに現地採用を実現することができます。
日本での学歴を活かして、現地の看護大学に編入する制度や、IELTSなどの英語力判定試験の得点で英語力を証明することも可能です。外国人向けに知識や技能を補完するための教育プログラムも普及しています。
海外の医療機関と連携し、お互いの職員を派遣し合うことにより技能向上を図ることを目的とした海外研修制度を設けている医療機関があります。派遣経費の多くを医療機関が負担しているケースが多いため、いつかは海外で働きたい、途上国の医療を支援したいなどの目標があっても、まずは日本の医療現場である程度経験を積みたいと考えている人などに最適です。
海外研修制度が整っている医療機関は、全国でも数が限られているため、就職を希望する場合は常に最新の情報が手に入るようにしておくことが大切です。
特に、働きながら転職を目指す場合は、情報収集の時間が限られてきますので、看護師専門の求人、転職サイトに登録をしておくことをおすすめします。