美容外科の看護師の仕事

一口に看護師といっても、勤務する場所によってその仕事内容は異なります。特に、美容外科ではその仕事の勝手がほかの診療科とは変わってきます。
女性が美しくなりたい、という希望を持って来院する美容外科には、一般の病院とはまた違ったやりがいがあります。
ここでは、その仕事内容や醍醐味についてご紹介します。

さまざまな手術の介助が主な仕事

美容外科では、美容形成手術、脂肪吸引、豊胸など美的見地に基づいた手術を行います。看護師の仕事としては、そういった手術の介助や助手がメイン。手術に伴う薬剤の準備、医療器具の洗浄や滅菌、院内感染などを防ぐための感染対策も看護師の仕事です。
また、術後の経過をみるのも重要な仕事の一つ。美容外科では、患者さんの審美面を改善する手術等を行う医療科であるため、術後の経過を確実にチェックする観察力などが求められるのです。

精神的ケアも重要な仕事

上記以外にも、受付業務やカウンセリングの仕事もあります。美容整形においては、例え自ら手術を希望している女性であっても、精神的な不安を抱えてしまうことは少なくありません。
手術に対する期待だけではなく、恐怖心や失敗したときのことを考えると気持ちが不安定になってしまうのです。看護師はそういった不安や恐怖を持つ患者さんのケアも行わなければなりません。
近年では男性が美容外科を利用する機会も増えていますが、その場合では男性の立場に立った精神的ケアが求められます。

看護師として美容外科で働くやりがい

「美しくなりたい」、「顔や体のコンプレックスを解消したい」といったお客様が来院するのが美容外科です。手術によっては高額な治療費を払う場合もありますが、それでも自分の悩みを解消したいという人が数多く集まります。
そんな強いコンプレックスを解消し、人生を変えるお手伝いをすることができるのがこの仕事。手術を受けることで、悩みが解消されて生き方が変わったという方もいらっしゃいます。
精神的にも明るくなって帰っていくお客様を見ることができるのは、看護師としての醍醐味であり、ほかの診療科では味わえないやりがいだと言えるでしょう。

美容外科で働くことのメリット

美容外科では、夜勤がない、残業が少ないなどプライベートをしっかりと守れる勤務体系であることが少なくありません。さらに、給与も高額であるクリニックが多いようです。待遇もよく給料も高額、という魅力的な条件がそろっている美容外科への就職を希望する人は多く、競争率が高くなる傾向にありますが、就職が決まればほかの看護師職で不足しがちな「自分の時間」をきちんと確保できるため、プライベートも充実させることができるでしょう。

逆に、デメリットとしては、審美面での治療を行うことから、クレーム処理をするケースが多いということが挙げられます。冷静に患者さんの対処をすることができるような精神的なタフさが求められるでしょう。
また、ほかの医療科の看護師に比べて、医療的な措置を行うことが少ないことから、医療技術を身につけにくいということもデメリットだと言えます。ずっと美容外科で働くことを考えている方なら問題ありませんが、そうでない方はよく考えて決めることをおすすめします。

美容外科に訪れる方は、精神的に不安定になる人もいるため、患者さんをケアするスタッフの対応は、クリニックの評判にも大きく関係します。
以上のことを理解した上で、患者さんの美のお手伝いをしたい、人の笑顔が見たい、という方にとっては目指す価値のある職業だと言えるでしょう。