少子高齢化の問題から、高齢者に対してのサービスの需要は高まっています。
特に「介護福祉士」は、需要が高い職業です。今回は、介護福祉士の概要や仕事内容、必要な資格についてご紹介します。
介護福祉士は、ケアワーカーと呼ばれることもあり、老人ホームやデイサービスセンターなどの介護施設や要介護者の自宅に訪問して業務を行ないます。
高齢、身体の障害、精神の障害などの理由で日常生活を営むことが難しい人を対象に、要介護者の状況に応じた介護を行ないます。また、要介護者の家族などに介護の指導も行ないます。
業務内容は、大きく3つに分かれます。
要介護者の食事、排泄、入浴、移動など、生活におけるあらゆるシーンの介護、介助を行ないます。多くの要介護者はこういった日常行動が困難であるため、一人ひとりの状況に応じて生活のサポートをします。また、これらの行動を一人でするための訓練も行ないます。
要介護者本人やその家族は、人に話せない悩みやストレスを抱えていることがあります。介護福祉士は、このような悩みやストレスを解決する心のケアも行ないます。そのためには、介護を受ける人達の気持ちや考えを理解して、適切な助言をするための専門知識が必要です。
洗濯、掃除、買い物、食事の準備などの家事全般も仕事内容に含まれます。家庭によって家事のやり方も様々なため、介護者や家族の要望に合わせて行ないます。
以上が主な業務ですが、他にも介護者の趣味に付き合ったり、家族との話し合いなど、ニーズに合わせて業務は多岐にわたります。
介護福祉士になるためには、資格が必要です。以下の2つの方法で取得が可能です。
1.は老人ホームやヘルパーなどの実務を3年以上経験した後に、試験に合格すれば取得できます。この試験は年に1回、「公益財団法人社会福祉振興・試験センター」で行なっています。
2.は指定の専門学校、短期大学、大学で所定の単位を修得して卒業することで資格を取得できます。(平成28年度より養成施設卒業者も国家試験の受験が必要になります。)
介護福祉士試験は平成24年度の合格率が64.4%であり、比較的取得しやすい資格であるといえます。
そのため、すぐに介護福祉士になる予定がない方も、今後の職の選択肢を増やすために受験するケースもあります。それだけ多くの方がニーズの高さを認知しており、取得することにメリットを感じているといえます。
試験の内容は、社会福祉士やケアマネジャーの資格に比べれば、比較的簡単だといえます。しかしながら、求められるスキルは多く、やりがいのある仕事です。
介護者の生活に直接的に深く関わるため、技術や知識以上に「思いやり」や「気配り」が大切になります。介護者やその家族と信頼関係を築き上げ、安心して頼れる存在になることが求められます。
介護者をしっかりと支えるための強い責任感と、人とのつながりの中にやりがいを見いだせる人が、介護福祉士に向いているといえます。