助産師は、命の誕生の瞬間に立ち会い、母子の健康をサポートする職業です。
働き方は大きく二つあり、産科のある病院やクリニックや助産院で働く場合と、独立して自分の助産院を持つという道です。
少しでも関心を持った方のために、助産師の開業方法と必要なスキルをご紹介します。ぜひ目を通してみてください。
助産院を開くには、医療法の定めに従って開設届を提出する必要があります。主な記載内容は、助産所の名称、所在地、敷地や従業員人数など。指定の用紙に記入した上で、地域管轄の保健所へと提出します。この時提出した書類は、内容変更があれば、その都度変更が必要です。安易な記載は避け、十分に内容を確認した上で手続きを進めるようにしてください。
また、分娩を扱う場合には、嘱託医師の確保が必要となる点には注意しなくてはなりません。ここでつまずく方もたくさんいるため、開業希望時期を逆算して、余裕を持って準備を進めるようにしましょう。
独立して自分の信じるお産のあり方を伝え、女性の支援にあたることは、雇われていては感じることができないやりがいを得られることでしょう。お産の立ち会いだけでなく、不妊治療や産後ダイエット、妊娠期のマッサージやヨガの指導など、周辺分野にサービスの幅を広げていく方もいます。
出産に際するノウハウは日進月歩であり、常に新しい手法がでてきますが、母子ともにより健やかに出産を終えるための方法を考えながら、最新知識にアンテナを張り、知識向上につとめなければいけません。
ニュースや業界紙を絶えずチェックし続けることは、大変な作業ではありますが、新しい知識が増える喜びがあります。スキルアップすればするほど、患者さんからの信頼度もあがるはずですので、現状に満足することなく貪欲に学び続ける意欲が重要です。
出産を終えれば、体力勝負の子育てが待っていますし、安全に出産を終えるためには、妊娠前から心身ともに健康な状態を保つ努力が必要です。地域で長く愛される助産院を作る秘訣は、女性の健康に関するトータルサポート窓口として認知度をあげること。出産前の不安や育児に関する些細な疑問を、気軽に相談できるパートナーになることが理想と言えます。
高齢出産やシングルマザーとしての出産など、お産の形が多様化している現代では、抱える悩みも一人ひとり異なります。その人が何に悩み、何を心配しているのかを聞き、隣に寄り添いきめ細やかなサポートができることこそ、独立する一番のメリットです。人の命を扱う仕事ゆえの責任の重さを自覚しつつ、親身な対応で信頼を勝ち得てください。
保健師、助産師、看護師の中で、唯一独立が可能なのが助産師です。長期安定キャリアを望む女性に適した仕事と言えます。現状に不満を抱えているなら、思い切って自分の足で立つ道を検討してみてはいかがでしょうか。